成人向け同人誌の自主規制について。


性表現の自主規制基準が厳しくなっています。

■知ってほしいこと。
2007年夏より、男性向けジャンルだけでなく、女性向けジャンルも含めて(BL、男女CP、百合等問わず)、成人向け同人誌の自主規制を徹底しよう、という動きが強まっています。
例えば、複数の印刷所で性表現の自主規制基準が厳しくなっており、今までなら大丈夫だった表現でも手直しを求められる事態が発生しています。

まずは日本同人誌印刷業組合様「成人向けジャンルの方へ」を読んで下さい。
実際に起こった案件を踏まえて、同人サークル・同人誌発行者にとって、とても身近で重要なことが分かりやすく書いてあります。

また、各印刷所様のHPを確認していただけると、詳しい対策方法などを明記されていますので、成人向け同人誌作成時の参考にされて下さい。
成人向け同人誌の発行者様は最低限のローカルルールとして、表紙に成人向けであることを分かりやすくする為の表記(R18等のロゴ)や、奥付に 発行者・発行日・印刷元の明記をきちんとして頂くよう、ご配慮をお願いいたします。

コミックマーケットにサークル参加する場合、郵送されたコミケットアピールも熟読して下さい。
COMIC CITY主催者である赤ブーブー通信社からは、 R18作品の取り扱いについてというページがアップされています。

同人誌に性表現を伴う内容を掲載する場合、男性向け・女性向けを問わず、法律や条例によって規制される可能性があります。
代表例を挙げると、同人誌だけではなく猥褻表現を規制するものとして「刑法175条」があります。
また、都道府県などの地方自治体による「青少年健全育成条例」などによっても性表現だけでなく、 過激な暴力などを含める残虐的・猟奇的な表現等、未成年者の閲覧にふさわしくない有害図書との解釈を受けた場合、 法的に規制の対象となる場合があります。
しかしながらこれらについては厳密なラインは未だ定められておらず、個々の良識とモラルが問われるものであります。 だからこそ私たちは自己の判断において、法律や条例に抵触しないように慎重な対応・表現を行う必要があるのです。

読み手(一般参加者)の皆様にも、成人向け同人誌を購入の際に年齢確認や身分証の提示を必要とされるなど、深く関わる問題です。
マナーを守る為、イベントのカタログやパンフレットは必ず熟読しましょう。
特に未成年の方は、成人指定本に関して年齢詐称や代理購入などの不正等を行わないように、ご理解の程、よろしくお願いします。


■雑誌や出版物等に関する青少年関連施策
「雑誌や出版物等に関する青少年関連施策」とは、「出版倫理協議会」が、各地方自治体などで「有害図書」と指定された出版物等に対して、 各種表示を行ったり自主回収などを行うよう、出版社に対して自主的に通知などを行うための施策の総称です。
このうち同人誌や同人の世界にもっとも影響があるであろうコミックやマンガに関しての「自主規制内容」は4つあり、青少年が目にする出版 物に対し、主に性的健全さに重点を置いた様々な規制やルールを定めています。具体的な内容と規制措置の決定年は、以下の通りです。

・帯紙措置
東京都で連続3回、又は年通算5回 「不健全図書」 に指定された雑誌は、「18歳未満の方々には、販売できません」 と印刷した帯紙を該当 誌の全部に付けるよう、出版社に対して通知を行い、取次会社は、帯紙のないものは取り扱わないとともに、申し込みのない小売店には送品をしない。

・要注意取扱誌
全国の地方条例で指定された雑誌類の状況を勘案して、年2回「要注意取扱誌」を指定し、出版社に通知し、取次会社は全国の小売店に 対して定期部数の改正を行い、申し込みのない小売店には送品をしない。小売店は、「要注意取扱誌」について青少年に販売しない等の取扱をし、「成人コーナー」等に区分陳列をする。

・勧告措置
協議会のコミック特別委員会が東京都で「不健全図書」と指定されたコミック単行本を審議の上、当該コミック単行本を発行する出版社に勧告を行う。 勧告は、当該単行本の回収、補充出荷の停止、「成年コミック」マーク等の表示、不健全箇所の修正等の措置を執ること等を内容とする。
出版社は、全国の書店に措置内容を通知、青少年への販売上の注意を行う。

・識別マーク表示
露骨な性描写を中心とする成年向け雑誌に発行出版社の判断で「成年向け雑誌」マークを表示し、小売書店等において「成人コーナー」等へ区分陳列販売を徹底し、青少年への販売上の注意を喚起する。

これらは出版社向けだから直接は関係しない、大げさだ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、同人誌も売買を行うという面では大差ありません。 同等の条件であるという心構えで用心を心がけたほうが賢明であると考えます。


■青少年健全育成条例
「青少年健全育成条例」とは、各地方自治体がそれぞれに設けている罰則付きの条例で、青少年の健全育成にとって有害だと思われるものを 規制する為のものです。長野県を除く全国都道府県で制定されています。ちなみにここで指す「健全」とは、性的な意味合いでの健全性です。
なお前提となる青少年の規定は、「小学校就学の始期程度から18歳に達するまでの者」とされているケースが大半です。 ただし条例で定めている禁止事項などの性質上、民法第737条の規定に基づく婚姻により成年に達したものとみなされる者については、保護 対象としての青少年からは除外する考え方が一般的なようです。

具体的な条例趣旨や設置制定目的の宣言自体は自治体によって内容が微妙に違い、解釈が様々ですが、おおむねは次のような形で説明されています。

『自治体と社会の責任を明確にし、青少年の健全な育成に関する理念を明らかにし、施策の大綱を定めその推進を図るとともに、青少年の健全 な成長を阻害し、又は非行を誘発するおそれのある行為を規制し、それを以って青少年の健全な育成を市民とともに図ることを主な目的とする』

この条例で同人に直接的に大きく影響しているものとして挙げられるものが、青少年に対する「有害図書の制限」です。 これによって成人向け同人誌が摘発の対象となり、作者や発行者および印刷所が罪に問われるということが実際に有り得ます。
多くの地方自治体は同人イベント開催の為のイベント会場を運営・管理・指導しており、今後もし同人者から摘発者などが出た場合、イベント開催の可否を実質的に左右しうる問題に直結してしまいます。


■最後に申し上げたいこと。
上記で述べたように、これらのことは法律や条例も関わっており、同人誌に携わる者全体として、自己責任を求められる重要な案件です。

実際、成人向け同人誌を「青少年に見せない」、「購入させない」事を徹底して心がけようとしても、どうしてもそう簡単には出来る事ではありません。 表紙に「R18」マークを明記してあっても、ご理解頂けない未成年の方もいらっしゃいますし、抜け道は多数あるでしょう。
また買い手だけでなく、こうした問題に対する考え方や対応は、サークル側でも個人によってまちまちで、危機感をまったく持っておられない方も多く、かといって、おいそれと押し付けがましく強制することも出来ません。 それぞれがそれぞれで、どう考えて対応していくかに頼るしかないのです。
ただ、こうして少しでも目に留めていただく機会を増やして、事態に認識を示していただけるように活動を続けていくことで、一人でも多くの方が理解を深めていただければと思う次第です。

一つだけ誤解のないように申し上げたいのは、別に正義を振りかざして警鐘を促しているわけではないということです。 出来れば円満に楽しいことだけを考えて、同人活動を楽しみたいと思っています。
根本的にはただそれだけの単純な想いから発生したことであり、だからこそ、その大切なイベントや愛すべき同人誌を守るために、少しずつ私達みんなで何が出来るのか考えていこう、という趣旨で行っている活動なのです。

認識不足や、これくらいは構わないだろうという安易な考えで、誰か一人の行為が問題になれば、当事者以外にもイベント主催者やサークル、一般参加者など、沢山の人に多大な迷惑がかかってしまいます。
最悪は同人誌即売会自体の存続まで危ぶまれる事態ともなりかねません。
作り手も読み手もお一人お一人が自覚を持って、皆様が何事もなく円滑にイベントを楽しめるように、重ねて皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
少しでも、なにかお心に留意していただけることがありましたら幸いです。

目を通してくださって、本当に有難うございました。

since December 24, 2007,            
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成人向け同人誌の自主規制について。
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